(福)子どもの虐待防止センターとは
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社会福祉法人子どもの虐待防止センター設立の経緯

 

子どもの虐待防止センター」が設立4年半になったばかりの、平成7年の夏の終わり頃、当時の広岡知彦代表から「子どもの虐待防止センター(=CCAP)もそろそろ社会福祉法人化を考えたらどうか」という話が運営委員会に出されたと記憶しています。それも東京都や東京都社会福祉協議会など周りの方々から押されるようなかたちで、そういうお話を頂いているというところがいかにも彼らしいなと思ったのを覚えています。

 「それは願ってもない話だけれど、まだまだそこまでの実力は我々にはないでしょう」というのが、当時の運営委員の大方の反応でした。何と言っても、発起人たちがポケットマネーを出し合い、電話一本を引いて、ある民間相談機関の部屋の片隅を借りて「子どもの虐待防止センター」が無一文で出発してから丸5年経っていなかったのです。

 社会福祉法人となって得られるメリットは?社会福祉法人は非課税である、寄付金が税金控除の対象となるので寄付を受けやすくなる、行政からの事業委託を受けやすい、そして何よりもが一番欲しい社会的認知が得られる。一方、行政に監督され手足を縛られて、自由な活動が出来にくくなるデメリットもあるのではないか。そんな迷いが胸に去来し、その日の運営委員会では結論を出すには至りませんでした。ところがその後広岡代表が病に倒れ、彼が最後の運営委員会で残したこの言葉が、磐石の重みを持って胸にせまってきました。お金の計算には人一倍疎い運営委員たちの中で、広岡前代表は福祉事業をやっていく上で、財政の安定がいかに大切であるかを説き続けた唯一の人だったのです。

 「広岡さんが見守って下さっているうちに」誰も言葉にはしなくとも同じ思いで、日ごろ忙しい斎藤学氏をはじめ運営委員たちが馳せ参じ連れ立って、東京都福祉局子ども家庭部、東京都社会福祉協議会、厚生省児童家庭局などをご挨拶に廻りました。どこでも「子どもの虐待防止センターの果している役割は大きい、頑張って社会福祉法人になって下さい。協力しますから」という身に余るお言葉を頂きました。

 間もなく広岡代表が急逝し、何とか社会福祉法人にしようというCCAPの意志は、大きな喪失感を乗り越えることと同義のものとなりました。CCAPの顧問で、前東京都児童相談センター所長の上出弘之氏に設立代表者をお願いし、陣容は固まってきましたが、具体的に東京都福祉局地域福祉推進部推進指導課法人係との折衝に入ると、現実の厳しさを思い知らされることとなりました。社会福祉法人設立に必要とされる基本財産は私たちには遠く及ばない額だったからです。この大きな障害を前に「やっぱり無理なのではないか」と途方に暮れる時期が約半年ほどありました。しかしその間も厚生省児童家庭局や東京都社会福祉協議会などから、「社会福祉法人化はどうなっていますか」と催促され、厚生省の当時の児童家庭局長がセンターを訪問して力づけて下さったり、周りの応援団に励まされるかたちで「よし、とにかくお金を集めるために、みんなで動き出そう」と腹を決めたのが、1996年の秋頃でした。

 賛助会員の方に社会福祉法人化のための寄付をお願いし、CCAPの紹介資料セットを皆で作り(これを”お出掛けセット”と呼んでいました)運営委員、事務局、ボランティア相談員で手分けして、寄付のお願いに企業を廻り歩くことにしました。東京都社会福祉協議会だけでなく、世田谷区社会福祉協議会からも社会貢献に関心のある企業を紹介して頂き、情報提供の面でも随分助けて頂きました。

 会員の方からは次々と寄付が寄せられ、3カ月ばかりの間に、137人約180万円を超えるご寄付を頂きました。一人一人の会員の皆様の期待に背中を押されるような思いで、運営委員もボランティア相談員も、つてを頼りにお出掛けセットを携え20社を超える企業を訪問しました。不況の時期にあって、多額の寄付を頂くことは無理もありましたが、どこも私たちの話を熱心に聞いて下さり、日本の企業も利益の社会還元に関心を持っていることを肌で感じました。何よりもCCAPの存在とその仕事を知ってもらうだけでも大きな意味があったと思います。

 このようにして集まった社会福祉法人化基金をもとに、足りない分は有志で出し合う事に決め、再び東京都法人係と本格的な折衝を始めたのが昨年の末でした。私たちがお金を自助努力で集めて来るのを待っていたかのように「よしこれで行きましょう」と担当者に言われた時には確かな手応えを感じました。まだ必要とされる基本財産には足りない部分があり、本当に認可されるのかと不安がつきまとっていましたが、その後の法人係との何回かの折衝の中でも、CCAPの今までやって来た事業の中身は高く評価され、期待もされていると強く感じました。

 何とか年度中にという悲願が実り、3月26日東京都福祉局より認可を受け、3月27日「社会福祉法人子どもの虐待防止センター」として新たなスタートを切ることになりました。そして3月29日第1回理事会評議員会を開き、役員を選出し、予算と事業内容を決定し、4月1日事業開始の第一歩を踏み出したところです。

 お金を集めるのも下手、行政との交渉も素人の私たちがここまでこれたのは、応援団とも言える周囲の方たちの励ましと、現在700名を超える会員の方の支えによるところが大であったと、心より御礼申し上げます。前述のように、まだ安定財源を得ているとはとても言いがたく、今後5年以内に基金を増やしていくよう東京都から指導を受けています。任意団体であったときとは違い、責任も格段に重くなって、今後とも虐待防止の事業に取り組むためにも、職員の充実などにこれまで以上の資金が必要になってきます。どうぞ以前にも増して当法人の事業を応援していただけるようお願い申し上げます。社会福祉法人となりましたので、寄付はすべて税金控除の対象となります。お知り合いの企業、助成を受けられそうな団体などを紹介していただくことも、大きな力となりす。以上簡単にご報告と御礼かたがたお願い申し上げます。

... 1997年5月 / CCAP事務局 龍野陽子

 

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